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ガンで死ぬということ

私の父は、肺がんで死にました。
当時、年齢は80歳ですから、死ぬのは早すぎることではありませんが、父はそれまで元気で町内会長やゲートボールのリーダーなど様々な活動をしていた人でした。
それが、ある日突然死の宣告を受けました。
母も娘二人の私と姉もショックを受けました。
娘二人はもう結婚して家を出て、夫婦二人で穏やかに老後の人生を送っていたのに、あまりに突然のことで、この後どうなるのか不安で一杯でした。
お医者からの話では、肺がんは、手術は出来ない、抗がん剤を投与していくしか治療は出来ない、薬がある程度、ガンを撃退してくれても完全に治ることは無い、そうです。
死ぬのが確実とあって、どんな風に父に接すればいいのか?と不安でしたが、当の本人は以外に普通にガンの話もするし、これからやっていかないといけないことも考えてました。
それからは、投薬治療を何度も受けては、入院退院の繰り返しの日々が続き、薬の副作用で頭の毛は抜けて、気分が悪くなるときもありました。
それでも、趣味のゲートボールは調子が悪くない限り出ていました。
近所の友達も元気なときと変わらない扱いで接してくれていて、傍目には元気そうに見える生活を一年以上送りました。
本格的に弱りだしたのは死ぬ2ヶ月前くらいです。
寝たきりになり、もう二度と退院は出来ない状態になり、ぼーっとなって死を待つだけでしたが、私達家族がお見舞いに行くと、目をこちらに向けて、何か言いたいそぶりなのです。
あれだけ、元気で強かった父が赤ちゃんのように見えました。
父が死んだのは春も終わった5月なのに、焼き場には父の好きだった桜の花がまだ咲いていて、父への供養のため咲いてくれたようでした。
父のような高齢者でもガンで死ぬということは家族や本人にとっては辛いことです。
ガンで苦しんでる人の為にがん治療できる新薬が早くできてほしい、と切に願います。


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